 
                    猛暑にひとときの涼しさを。― シャチの立体カレンダー制作秘話 ―
机の上のカレンダーが“ちょっとした癒し”や“会話のきっかけ”になっていたら──。
スマイディアでは、2ヶ月に1回「立体カレンダー」を作成し、お客様にお届けしています。2025年の年間テーマは「空想上の生き物」!7~8月は、火除けの守り神「シャチ」をモチーフに作成しました。卓上でどっしりと構える、迫力あるカレンダーができるまでをご紹介します。
「シャチ」の火を消す不思議な力
さて、「シャチ」といえば、海の生き物が有名ですよね。「水中で暮らしているとはいえ、なぜシャチが火除けの守り神に?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、今回のモチーフは、虎や龍、魚の特徴を合わせ持つ空想上の「シャチ」です。空想上のシャチは「口から水を吐き、火を消す力を持つ」と言われる生き物。そのため、火除けの守り神として、シャチをかたどった装飾「しゃちほこ」がお城の天守閣に飾られるようになったという歴史があります。
そして、炎のように暑かった今年の夏、「シャチが屋根の上から水を降らせてくれたら涼しいな」という思いから、空想上のシャチをモチーフに選びました。
「重み」がしゃちほこ再現のカギ
今回一番のこだわりポイントは、カレンダーを置いたときの「安定感」です。形を考える際に、「しゃちほこ」という名前の由来になった「“鉾(ほこ)”のように天に向かって反りたつ身体」を表現しようと何度も試作を重ねたのですが、尾ひれの位置が高くなるほど不安定に…。
倒れてしまった原因は、頭の部分が尾ひれの重みを支えきれていなかったこと。そこで、基盤になる部分に紙を重ね、重みを足すことで解決!さらに、ヒレと胴を2層で表現できるようになったことで、奥行きが出るというメリットもありました。見た目だけでなく、使う時のことを考えるのも大事な「デザイン」なんです。

「金色」を表現する方法は…?
国内にたくさんある「しゃちほこ」の中で、特に有名なのが「金鯱(きんしゃち)」と呼ばれる金色のしゃちほこです。世間のイメージにより近い姿で作りたい!と意気込んだのですが、ここで一つ問題が。金色は印刷でよく使われるCMYK(シアン/マゼンタ/イエロー/ブラック)のインキでは表現できない色なんです。
そこで、この問題をデザインの力で解決!CMYKのインキで表現できる黄色や黄土色などを組み合わせることで、しゃちほこに太陽の光が当たった時の金色の輝きを表現しました。自社工場があるスマイディアでは、デザイナーが細かい色味までしっかり確認・調整しているんですよ!チャームポイントは天に向かって輝く立派な尾ひれです。ぜひじっくり見てみてくださいね。

最後に
いかがでしたか?
馴染みがないようで、実は近くに存在している空想上のシャチ。歴史ある建物を見かけたときは、屋根の上にシャチがいないか、探してみると面白いかもしれません。
視点が変わると、見える世界も変わります。皆さまの日々の仕事にも、新しい発見がありますように。建物の屋根を見上げる楽しみが、皆さんにも少しでも増えたら嬉しいです。

